僕の人生

僕の波乱万丈の人生

獣医学科を退学した理由

長年の夢であった「獣医になる」というのが叶ったと思ったが、そうではなかったようだ。

 

前も話したと思うが、僕は大動物臨床に携わりたいと考えていた。理由は大きい動物が好きなこと、田舎が好きであること、小動物臨床は病院数が多く飽和状態であるため。

 

僕がいくはずだった大学は、2年生から田舎のキャンパスに移動し、5年間ずっとそこで勉強することになる。また、大動物臨床に対しても力を入れており、僕にとって最高の環境で勉強できるのだ。

 

また、大動物臨床に進む獣医師は少なく、様々な自治体が条件によっては返済不要の奨学金まで支給してくれるところすらある。そのことを僕は入試の時から知っていたし、借りるつもりであった。

 

 

辞めた本当の理由

 

 

入試の合否が発表され、歓喜に包まれていたのもつかの間、すぐに鬱の時期がやってきた。

 

 

①田舎が怖くなった

 

僕は昔から田舎が大好きで、高校三年生の途中まで田舎に行く大学が第一希望であった。しかし、高校三年生の途中から、都会に憧れを持つようになった。きっかけは兄が都内の大学に通っており、体育会ではあったがよく都内に遊びに行き、楽しそうな大学生活を送っていたのを見ていたからだ。前のブログを読めば分かるように、中高時代にあまり青春できなかったため、大学では最高の青春を謳歌してやろうと思っていた。しかし、残念ながらその大学に行けば周りには山しかないど田舎のため、僕の思い描いている青春は送れないのだ。

 

 

②田舎が怖くなったために大動物臨床に行きたくなくなった。

 

獣医になるのが嫌になった理由のほとんどに「田舎が怖い」という理由が含まれていると思う。

 

 

田舎が怖くて大動物臨床に行きたくなくなり、他の分野の獣医になろうと思った。

 

・小動物臨床

獣医の花形の獣医。しかしこれにはなりたくないと思った。いろいろ調べてわかったことだが、まず給料が少ない。医者と同じ知識量と技術を必要とされている業務であるのにも関わらず、医者の給料の4分の1である。開業すれば多少よくなると言われるが、開業資金で莫大な借金をし、医療器具などの代金、自由診療のため価格は自分で設定できるが、高ければ客が来なくなるためできるだけ安い料金に設定せざるを得ない。そして何と言っても激務であるということ。週休2日なんてありえないし、夜遅くまでの業務、そんな生活を強いられるのにも関わらず、薄給で、潰れていく獣医がたくさんあるという。

 

・公務員

これは結構迷った。獣医の公務員も他の公務員と同じで、公務員試験に合格することでやっと公務員になれる。田舎が怖くなっているため、地方公務員ではなく、国家公務員の獣医師枠をうけることになる。しかし、業務は単純とのこと。例えば食肉の安全管理や、公衆衛生のなんかの仕事など、獣医の膨大な知識がなければできない仕事ではあるかもしれないが、単純作業で終わるような仕事をして行きていくのは嫌なため却下。

 

・民間企業に就職

 

一番迷った。獣医が企業に求められることはたまにあるらしく、多くはペットショップである。ペットショップの開発に限らず、獣医師としてイベントの開催、実際に診療する機会もあるそうだ。しかし、獣医学科で6年間地獄の勉強をするのに最初から民間企業に就職する道を選んでたら、獣医学科に入る意味がないしやる気が進まないだろう。

 

 

これらの理由で道を閉ざされてしまった。おそらく、田舎の大学ではなく、自宅から通える距離の大学にかよっていれば獣医をやめることはなかったかもしれない。しかし、この選択をして本当に良かったと思える大学生活を送っている。そのため、この時期の僕の選択を後悔したことはない。でも、やっぱり受験費用に限らず、入学金、授業料全てを払ってくれた親にはとても申し訳ない。

 

僕は入学式の前日に獣医をやめる決断をした。